出っ歯を治したいという方は、多いのではないでしょうか。ただ、「治療費・期間はどのくらいかかるのか」「どんな治療法になるのか具体的なイメージがわかない」などの悩みを抱えてる方も少なくありません。そこで本記事では、具体的な治療法について解説していきながら、それぞれのメリットやデメリットもわかりやすくまとめました。最後に本院の出っ歯の治療例も載せているので、治療方法の検討にお役立てください。
出っ歯について
出っ歯とは、上の前歯が過度に前方に突出している状態を指します。通常の歯の場合、上の前歯は下の前歯より2〜3㎜程度前に出ていますが、出っ歯と診断される状態では、上の前歯が下の前歯よりも4㎜以上前に出ています。出っ歯になる原因は、遺伝的な要素や口呼吸、おしゃぶりや舌を突き出すといった日々の習慣などです。私生活への影響として以下のようなものがあげられます。 印象が良くない 噛み合わせが悪いため顎関節症を引き起こす可能性がある 虫歯・歯周病になりやすい 審美的な問題だけではなく、顎関節症・虫歯・歯周病といった病気につながることもあるため、症状が重度の場合は専門医に相談することをおすすめします。
出っ歯の矯正治療方法
重度の出っ歯の場合、見た目だけではなく他の病気も引き起こすといった可能性もあります。自力で治せるとよいですが、専門医なしで出っ歯を治そうとすると歯が正しくない方向に動いたり、損傷したりといった危険があるのでやめましょう。出っ歯を治療する場合は、症状の程度によって抜歯も必要になるので、専門医に相談して適切な矯正治療を受けることが大切です。ここでは、いくつかある出っ歯の治療法をそれぞれの特徴を踏まえつつ紹介していきます。
ワイヤー矯正(表側矯正)
治療期間:半年~2年半程度 治療費用:60~75万円(+税) メリット: 症状が重度の場合でも対応できる 発音・咀嚼がしやすい デメリット: 歯の表面につけるため、審美性にすぐれない ねばねばしたもの・硬いものは食事が制限される 器具の取り外しは担当医しかできない 金具でできているため口内を傷つけることがある 1カ月に1度は通院が必要になる
ワイヤー矯正(表側矯正)は、歯の表面にワイヤー装置を取り付けて歯を動かし、歯列や噛み合わせの問題を改善します。歯を大きく動かすことができるので、重度の出っ歯の場合でも対応が可能です。また、症状が重度の場合に行われる抜歯をした際にも適しています。
ワイヤー矯正(裏側矯正)
治療期間:半年~3年 治療費用:60~120万円(+税) メリット: 症状が重度の場合でも対応できる 歯の裏面につけるため、気づかれにくい デメリット: 発音・咀嚼がしずらい ねばねばしたもの・硬いものは食事が制限される 器具の取り外しは担当医しかできない 金具でできているため口内を傷つけることがある 1カ月に1度は通院が必要になる
ワイヤー矯正(裏側矯正)は、歯の裏面にワイヤー装置を取り付けて歯を動かし、歯列や噛み合わせの問題を改善します。矯正中の歯は装置のある方に動きやすく、裏側につけることで引っ張られるような形になり、出っ歯の矯正の場合は表側矯正よりも適しています。
マウスピース矯正
治療期間: 部分矯正:6ヶ月~1年程度 全体矯正:3ヶ月~1年半程度 治療費用: 部分矯正:30~60万円程度 全体矯正:45~80万円程度 メリット: 薄く透明度が高いため、矯正装置が目立たない 取り外し可能なため、食事制限がない 痛みや違和感が、比較的少ない デメリット: 取り外しが簡単なため、自己管理能力が必要になる
マウスピース矯正は、透明なプラスチック製のマウスピースを使って歯並びを整える矯正治療法です。個々の患者に合わせてマウスピースを作成し、歯を少しずつ動かすために2週間に1度入れ替えながら治療をします。出っ歯の症状が軽度の場合は、費用をより抑えられる部分矯正でも治療可能です。
インビザライン
出っ歯の症状が軽度から中程度の場合は、インビザラインをおすすめします。インビザラインはマウスピース矯正の一種ですが、歯型をとった後、治療全体のプロセスを計画し、それをもとに治療用のマウスピースを一気に20〜60程度作ります。他のマウスピース矯正と違い、適宜マウスピースを作る必要がなく、通院回数も2~3カ月に1度で、治療も計画通りに進みやすいです。
出っ歯の矯正治療の流れ
治療内容や症状によって治療の流れは変わることがありますが、大体の流れは以下のようになります。
初回カウンセリング・検査
担当医にご希望やご質問を伝えます。また、歯の状況を正しく調べるために検査が行われます。
治療計画の作成
初回検査のもと治療計画が作成され、具体的な治療方法やスケジュールが決定します。
治療開始
治療が始まり、矯正装置を設置します。矯正装置には、ワイヤーやマウスピースなどがあります。また、治療期間は症状や治療方法によって変わってきますが、半年〜3年ほどがほとんどです。
定期チェック
治療開始後も定期的にチェックを行います。治療状況はもちろんのこと歯の健康状況も調べます。状況に応じて、矯正装置の圧力の調整やワイヤーの交換を行います。
治療完了
出っ歯が治ったら、治療完了です。治療後しばらくの間は、歯列が安定させるためにリテーナーの設置が必須になります。設置期間やケア方法については担当医の指示に従いましょう。